素材技法:日本画、水彩画
解説:夏の陽射しが柔らかく降り注ぐ境内、涼やかな風が風鈴を揺らし、澄んだ音色が心に静かな波紋を広げる。その音に導かれるように、私は一歩一歩、石畳を歩む。手にした短冊にはまだ何も書かれていない。筆をとる手は少し緊張するが、穏やかな気持ちで短冊に文字を綴る。書き終えた短冊に書かれた文字は少し滲んでしまったけれど、そっと風鈴に結ぶ際の涼やかな音色は啜り泣きを優しく包んでくれる。その音は、まるで願いが風に乗って天へと届くように、懐かしい祖父母の顔が思い浮かぶ。「どうか、みんなが長く元気で、笑顔でいられますように。」心の奥深くから溢れた大切な私の願いは、風鈴の音とともに、家族への思いとして静かに響き続けるのだった。
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